- 移住支援が注目される理由とは?
- ランキングの評価基準について
- 評価のポイントは「バランス」
- 移住支援が手厚い自治体ランキングTOP10
- 地域づくりに本気で関われる町
- 移住者向けの暮らしサポートも充実
- 豊かな自然と、人とのつながり
- 実際の移住者の声
- こんな人におすすめ!
- 海士町の“課題”も正直に
- 何かを始めたい人の背中を押してくれる町
- 第3位:宮崎県日南市|南国の気候と起業支援が魅力、地方で“自分らしく働く”を実現
移住支援が注目される理由とは?
ここ数年、「都会を離れて地方に移住したい」と考える人が増えてきました。とくに新型コロナウイルスの流行以降、「テレワークでも仕事ができるなら、もっと自然の多い場所に住みたい」「子育ては広い場所でのびのびとさせたい」と考える人が増え、地方移住への関心はぐっと高まりました。
一方で、地方の自治体も「移住してくれる人」をとても必要としています。というのも、多くの市町村では「人口減少」や「高齢化」が進んでいて、このままでは将来、働く人や子どもが減ってしまい、地域の暮らしが成り立たなくなるおそれがあるからです。だからこそ、全国の自治体は「うちのまちに住んでくれる人を増やそう」と、さまざまな「移住支援制度」を用意するようになりました。
たとえば、「引っ越し代や家賃を補助します」「子どもの医療費は18歳まで無料です」「起業する人には最大300万円を支援します」など、内容は地域によってさまざまです。制度が充実している自治体では、実際に移住者が増え、若い人や子育て世帯が集まるようになってきています。
こうした流れを受けて、国も本腰を入れて支援をはじめました。総務省は「地域おこし協力隊」や「ふるさと回帰支援センター」の設置を進め、地方への移住を後押ししています。また、2023年からは「地方創生移住支援金」の制度が強化され、東京圏から地方へ移住して就職・起業した人に対して、一人あたり最大100万円が支給されるようになりました。家族で移住した場合は、さらに子ども1人あたり100万円が加算されるケースもあり、「100万円+α」の支援が受けられる自治体もあります。
しかし一方で、「支援制度はあるけど、条件が細かくて受け取れない」「結局、住んでみないとわからないことが多い」といった声もあります。移住は人生の大きな選択だからこそ、「制度が充実している=住みやすい」とは限りません。
この記事では、全国の自治体が用意している移住支援制度を比較し、「金額が大きいか」だけでなく、「実際に暮らしやすいか」「支援の実績があるか」といった点にも注目して、総合的におすすめの自治体をランキング形式で紹介します。
また、「子育てがしやすい」「仕事が見つかりやすい」「自然が多くてのんびり暮らせる」など、目的別のおすすめ自治体も紹介していく予定です。移住を考えている人も、「ちょっと気になるな」と感じている人も、ぜひ参考にしてみてください。
ランキングの評価基準について
移住支援のランキングをつくるには、「なにを基準にして、どこが良い自治体か」をはっきり決める必要があります。金額の大きさだけで比べてしまうと、「確かにお金はもらえるけど、住んでみたら大変だった」ということにもなりかねません。そこでこの記事では、次の5つのポイントを重視して、ランキングを作成しました。
移住支援金や補助金の内容
まず一番わかりやすいのが「移住にともなうお金の支援」です。たとえばこんな内容です。
- 引っ越しにかかる費用の補助(例:最大30万円)
- 空き家を購入・改修するための補助金(例:最大200万円)
- 地域で起業する人への創業支援(例:最大300万円)
- 就職・転職した人への就業奨励金
支援金は自治体によってまったく内容がちがい、使える条件も細かく設定されています。たとえば「東京23区に5年以上住んでいた人が対象」などです。金額だけでなく、もらいやすさ・使いやすさも評価のポイントとしました。
子育て・教育支援の手厚さ
家族で移住を考えるとき、気になるのが「子どもの暮らしやすさ」です。そこで、子育てや教育へのサポート体制も評価対象にしました。
- 子ども医療費の助成(何歳まで無料か)
- 給食費の無償化(全額か一部か)
- 保育料や通学費の補助
- 小中学校のICT教育や少人数学級などの取り組み
中には「高校卒業まで医療費が無料」という自治体もあり、都市部に比べてかなり手厚い支援をしている地域もあります。子育て世帯にはうれしい制度ですね。
住まいに関する支援
移住するときに必要なのが「住む場所」です。しかし、都会のようにマンションや賃貸住宅が多くない地域もあるため、住宅支援の充実度も大切です。
- 空き家バンクの整備状況
- 空き家のリフォーム費用の補助
- 賃貸住宅に対する家賃補助
- 定住を条件にした土地の無償提供
たとえば「条件付きで家を無料で提供」する自治体や、「家賃の一部を3年間補助」するところもあります。住まいに困らない仕組みがあるかどうかも重要です。
仕事・起業に関する支援
地方に移住すると「仕事があるか心配」という声も多く聞かれます。そこで、仕事や起業に関するサポート体制も評価に入れています。
- 就職先の紹介制度や合同企業説明会
- 地域おこし協力隊の募集状況
- フリーランス向けのコワーキングスペースやネット環境の整備
- 起業支援の補助金やセミナー開催の有無
「仕事がある」だけでなく、「自分らしい働き方ができるか」も大切です。最近では“二拠点居住”や“ワーケーション”を受け入れている自治体も評価対象としました。
実績や住民の満足度
どれだけ支援制度が整っていても、実際に移住してきた人たちが「住んでよかった」と感じていなければ意味がありません。そこで、以下のような実績や口コミも調べました。
- 実際の移住者数(前年比など)
- 支援制度の利用件数
- 利用者の満足度や継続定住率
- 「住みたい田舎ランキング」などの外部評価
たとえば、移住者が増えているのに支援制度の満足度が低い場合は「制度が複雑すぎる」「サポートが足りない」などの課題が見えてきます。逆に、人口はそこまで増えていなくても、利用者満足度が高ければ“穴場”の可能性もあります。
評価のポイントは「バランス」
これら5つの観点から、各自治体を多角的に評価しました。とくに注目したのは「お金だけじゃない暮らしやすさ」です。
- 支援金は多いけど仕事が少ない
- 住宅支援はあるけど病院や学校が遠い
- 都市に近いけど自然はほとんどない
こうした“片手落ち”の自治体は評価を控えめにしています。その代わり、「支援金はそこそこだけど、仕事と子育てが両立しやすい」「小さな町だけど住民とのつながりが深くサポートが手厚い」といった、実際の暮らしのリアルが見える地域を高く評価しました。
移住支援が手厚い自治体ランキングTOP10
第1位:長野県佐久市(さくし)|子育ても仕事も自然も、三拍子そろった“移住の優等生”
長野県の東部にある佐久市は、東京から新幹線でわずか1時間20分ほどの場所にありながら、豊かな自然・落ち着いた街並み・手厚い子育て支援を兼ねそなえた、まさに「ちょうどいい田舎」として注目されています。ここ数年、特に子育て世代を中心に移住者が急増しており、その理由の一つが「とにかく支援が手厚い」という点です。
移住支援金が最大300万円!
佐久市では、移住者に向けた補助制度が複数あります。中でも大きいのが「移住支援金」と「住宅取得・改修支援」です。具体的には以下のような支援があります。
支援内容 | 金額・概要 |
---|---|
移住支援金 | 単身60万円、世帯100万円(子ども加算あり) |
住宅取得補助 | 最大100万円(+子育て世帯で加算あり) |
空き家改修補助 | 工事費の2/3(上限100万円) |
起業支援 | 地域課題に対応する事業に最大200万円 |
テレワーク促進 | 自宅整備に関する支援あり |
特に注目なのは、東京圏から移住してきた子育て世帯には、加算で300万円以上の支援が受けられるケースもあるという点です。しかも、条件が比較的わかりやすく、役所の窓口でも親切に案内してくれるという口コミが多いのも安心ポイントです。
教育と子育てがまちぐるみで手厚い
佐久市が人気の理由は、移住支援金だけではありません。子育てのしやすさが段違いに高いという点も見逃せません。
たとえば、以下のような制度が整っています。
- 18歳までの医療費が完全無料
- 給食費が全額補助される学校あり
- 小中学校のICT教育が進んでおり、1人1台のタブレット端末を支給
- 図書館や児童館など、公共施設が充実
また、市の中心部には総合病院や大型商業施設もそろっており、「田舎すぎず、都会すぎない」バランスの良さが家族層に好まれています。
交通アクセスの良さと“二拠点生活”も可能な立地
佐久市は、北陸新幹線の「佐久平駅(さくだいら)」があるため、東京駅からわずか80分でアクセスできます。通勤・通学もギリギリ可能で、実際に「週2日は東京、残りは佐久で暮らす」という“二拠点生活”を実践している人もいます。
- 新幹線定期券の一部補助もあり(条件あり)
- 近くには軽井沢や小諸など観光地も豊富
- 車での移動もスムーズで、雪も比較的少ないエリア
地方移住というと「車がないと不便そう」「都会との行き来が難しい」と感じる人も多いですが、佐久市ならその心配はかなり少ないと言えます。
佐久市はこんな人におすすめ!
- 子どもを自然の中でのびのび育てたい人
- テレワークや自営業で場所を選ばず働ける人
- 都会との行き来をしながら“二拠点生活”をしたい人
- 移住支援金などを活用して、なるべくコストを抑えたい人
実際の移住者の声
「東京のマンション暮らしに限界を感じていたときに、佐久市の移住制度を知りました。支援金もありがたかったですが、それ以上に“人の温かさ”と“自然の豊かさ”が決め手でした。雪は少ないし、車で10分も走ればイオンと山が両方ある生活に大満足です!」(30代・夫婦+子ども2人)
迷ったら“バランス型”の佐久市を検討してみよう
佐久市は、支援金の金額だけでなく、教育・住環境・交通アクセス・医療体制など、全体のバランスが非常に高いレベルで整っている自治体です。「自然に囲まれた地方で暮らしたいけど、生活に不便すぎるのはイヤ」という人にとっては、理想的な選択肢のひとつといえるでしょう。
参考情報
第2位:島根県海士町(あまちょう)|人口2300人の島が、全国から注目される理由とは?
島根県の沖に浮かぶ小さな島「中ノ島(なかのしま)」。そこにある海士町(あまちょう)は、人口わずか2300人ほどの小さな自治体です。ですがこの町、全国の“地域活性化モデル”としてたびたびメディアに取り上げられてきた、「地方再生の先進地」でもあります。
移住希望者のあいだでは「自分の手で地域をつくっていける場所」として知られ、とくに若者や起業志向のある人たちから熱い注目を集めています。
地域づくりに本気で関われる町
海士町の一番の魅力は、「ただ住む」だけでなく「町の未来づくりに参加できる」こと。たとえば…
- 島全体が“共創の実験場”として、新しいアイデアに寛容
- 若者や移住者が新規事業を始めると、町ぐるみでサポート
- 役場と住民が距離が近く、「町に提案が届く」スピード感がある
実際、地元高校が廃校の危機にあったときも、町と住民が一体となって「島外から生徒を呼びこむ仕組み」を考え、“隠岐島前高校魅力化プロジェクト”という取り組みをスタート。今では全国から生徒が集まり、町のにぎわいの一部になっています。
移住者向けの暮らしサポートも充実
海士町では「よそ者を受け入れる体制」づくりが進んでおり、初めての人でも安心して暮らせるように、移住者向けのサポート体制を整えています。
支援内容 | 概要 |
---|---|
お試し住宅 | 数か月単位で住める体験用住居あり |
空き家紹介 | 町役場が中心となってマッチング |
就職サポート | 地元企業や漁業・農業などの求人あり |
起業支援 | 地域課題をテーマにした事業立ち上げをサポート |
地域おこし協力隊 | 常時募集あり(最長3年、報酬あり) |
とくに注目なのが「島ぐらし体験プログラム」や「地域おこし協力隊制度」を活用した入り口の広さ。はじめから「移住します!」と決めるのではなく、「ちょっと住んでみてから決めたい」という人も歓迎されます。
豊かな自然と、人とのつながり
海士町は海に囲まれた島にあるため、風景はとても美しく、暮らしはのんびりしています。魚も野菜も新鮮で、自然に囲まれたスローライフを楽しみたい人にとっては理想的な環境です。
- 夏は透明な海で泳げる
- 釣りや畑しごとが日常になる
- 地元の人たちとの交流イベントが多い
また、人口が少ない分、「人と人との距離が近い」のも大きな魅力。都会では味わえない“顔の見える暮らし”が、ここにはあります。
実際の移住者の声
「東京の会社を辞めて移住しました。最初は『島暮らしって不便そう』という不安もありましたが、暮らしてみると“便利さ”よりも“心地よさ”があることに気づきました。町の人も温かくて、いつの間にか地域のイベントにも参加するように。今では自分で海士町を紹介する仕事をしています」(20代・女性・元IT企業勤務)
こんな人におすすめ!
- 地域のために自分のスキルを活かしたい人
- 起業やまちづくりに関心のある人
- 自然の中で、心をゆっくり整えながら暮らしたい人
- 家族やパートナーと一緒に“試してから”移住したい人
海士町の“課題”も正直に
もちろん良いことばかりではありません。たとえば、
- 病院やスーパーの数は限られている
- 本土(松江市や出雲市)までフェリー移動が必要(2〜3時間)
- 冬の海が荒れると、物流が遅れることもある
でも、だからこそ「助け合い」があたり前にあり、人とのつながりが暮らしの中心になります。
何かを始めたい人の背中を押してくれる町
海士町は、お金の支援が目立つタイプの自治体ではありません。でも、「何かを始めたい」「自分の生き方を見つめ直したい」という人にとっては、これ以上ない場所です。大きな都市ではできなかった挑戦が、ここでは日常の中にあります。
島での暮らしに少しでも興味がある人は、まずは“お試し体験”からはじめてみてはいかがでしょうか。
参考情報
第3位:宮崎県日南市|南国の気候と起業支援が魅力、地方で“自分らしく働く”を実現
宮崎県の南部にある日南市(にちなんし)は、温暖な気候と青い海、のんびりとした空気が魅力のまちです。ですがそれだけでなく、日南市は「起業家を応援する町」としても注目を集めており、全国からチャレンジ精神を持った若者たちが集まってきています。
「田舎で自分の店を持ちたい」「好きなことで仕事をしたい」「都会に疲れたから、ゆったり暮らしながら働きたい」…そんな思いを持つ人にとって、日南市はまさにぴったりの場所です。
起業・創業支援がすごい!
日南市では、全国でもめずらしいほど起業家のサポートが充実しています。たとえば以下のような制度があります。
支援内容 | 概要 |
---|---|
起業支援補助金 | 事業費の2/3(最大100万円)を補助 |
空き店舗活用支援 | 商店街の空き物件を格安で貸し出し |
経営相談・メンター制度 | 先輩経営者や専門家から継続サポート |
チャレンジショップ制度 | 試験的に出店できる場所を市が提供 |
とくに力を入れているのが、古くなった商店街の再生。空き店舗をうまく活用しながら、「カフェを始めたい」「古着屋をやってみたい」など、個人の夢を応援する仕組みが整っています。
その結果、商店街の空き店舗が次々とリニューアルされ、今では若者や観光客が集まるおしゃれなエリアへと生まれ変わりつつあります。
移住支援もぬかりなし
起業だけでなく、暮らしのスタートをサポートしてくれる制度も充実しています。
- 移住支援金(東京圏→地方)最大100万円(世帯)
- 住まい探しのサポート(空き家バンクあり)
- 子育て世帯への住宅支援制度
- お試し移住体験施設(短期利用OK)
とくに、家賃補助や住居のあっせんは、初めての土地で暮らす人にとって大きな安心材料になります。「物件の探し方がわからない」「仕事が決まるまで住む場所がない」といった不安も、市役所の担当部署がしっかり相談に乗ってくれます。
自然と便利さのバランス
日南市の魅力は、なんといっても「自然と利便性のちょうどいいバランス」です。
- 年間を通して暖かく、雪がほとんど降らない
- 海が近く、サーフィンや釣りなどのアクティビティが豊富
- 市内には大きなスーパー・病院・学校もそろっていて安心
- 宮崎市までは車で1時間ほど、空港も近い
つまり、「自然の中でのんびり暮らす」という夢を叶えつつ、生活に困らないインフラもちゃんとあるというのが、日南市の強みです。
実際の移住者の声
「東京でデザインの仕事をしていましたが、競争が激しくて疲れてしまって…。思いきって日南に移住して、自分の小さなギャラリー兼カフェをオープンしました。起業支援金も大きかったですが、商店街の方たちが応援してくれて、とても心強かったです」(30代・女性)
「海が好きなので、週末はサーフィン、平日はリモートワーク。移住したら仕事の効率も上がって、毎日が楽しいです」(40代・男性)
こんな人におすすめ!
- 自分の店やビジネスを始めてみたい人
- あたたかい地域でのんびり暮らしたい人
- 海のある暮らしに憧れている人
- “人のつながり”を感じながら働きたい人
日南市の“課題”も知っておこう
日南市は魅力の多いまちですが、注意すべき点もあります。
- 公共交通があまり発達していない(車が必須)
- 夏は台風が多い年もある
- 子どもの進学先(高校・大学)には工夫が必要
ただし、こうした課題も「自然と向き合う暮らし」や「地域に溶け込む努力」をすることで乗り越えている移住者が多くいます。
好きなことを仕事にできるまち
日南市は、単に「補助金が多い」という理由ではなく、“自分のやりたいこと”に本気で向き合える環境があるという点でとても魅力的な自治体です。とくに「何かを始めてみたい」「好きなことで生きていきたい」という人にとっては、挑戦のしやすさ・応援してくれる文化がそろっています。
もし、地方での起業や“好きな暮らし”に一歩踏み出したいなら、日南市という選択肢をぜひ検討してみてください。
参考情報
第4位:北海道下川町|“サステナブルな町”として国内外から注目!環境と共生する新しい暮らし
北海道の北部、旭川から車で2時間ほどの場所にある下川町(しもかわちょう)。人口は約3000人ほどと小さな町ですが、今この町が全国的に注目を集めています。その理由は、「持続可能な社会(サステナブル)」を本気で実現しようとしている町だからです。
「森とともに暮らす」「資源を大切に使う」「人とのつながりを大切にする」…そんな考えに共感する人たちが、日本全国、そして海外からもこの町を訪れ、移住するようになっています。
「サステナブル・タウン」の先駆け
下川町は、林業の町として知られていましたが、木材価格の低下や人口減少の中で「これからの地域のあり方」を真剣に考えました。そして、他の町よりもいち早く「持続可能なまちづくり」に本気で取り組んできたのです。
その取り組みの一例がこちらです:
- 町の95%が森林 → 林業と再生可能エネルギーの活用
- 木材チップを燃料とした地域熱供給システム
- 環境教育やエコライフの推進
- 地域通貨「しもかわコイン」による資源循環の促進
このような活動が評価され、下川町は国際的なサステナビリティ認証「FutureCity(環境未来都市)」にも選ばれました。
移住者にやさしいサポート制度
環境にやさしいだけでなく、人にもやさしいのが下川町の特徴です。移住希望者に向けたサポートも充実しており、初めての土地でも安心してスタートできる仕組みがあります。
支援内容 | 概要 |
---|---|
移住体験住宅 | 家具付きの住宅に安く住める制度(1泊1,000円〜) |
空き家バンク | 家賃1万円以下の物件も多い |
地域おこし協力隊 | 環境・教育・農業など分野別に活動可能 |
定住促進奨励金 | 一定の条件で定住した場合に最大50万円 |
さらに、町役場の「移住コーディネーター」が、仕事や住まい、地域とのつながりづくりまで丁寧にサポートしてくれるので、「ひとりで心細い…」という不安も少なくて済みます。
人と人とのつながりが深い町
小さな町だからこそ、「人と人との距離が近い」のも大きな魅力です。住民同士の交流が活発で、移住者もすぐに地域にとけこめる雰囲気があります。
- 「まちづくりワークショップ」や「住民参加の森づくり」などのイベントが多数
- コミュニティカフェやシェアオフィスなど、交流拠点も整備
- 高齢者から子どもまでが一緒に活動できる機会が多い
また、「地域で子どもを育てる」意識も強く、学校や保育施設と家庭の距離がとても近いのも特長です。
実際の移住者の声
「東京で環境NPOに勤めていたのですが、もっと自然の近くで、実践的にサステナブルな暮らしをしたいと思い、下川町に移住しました。最初は不安でしたが、町の人たちがとても親切で、すぐに地域にとけこめました。今は地元の木を使った雑貨店を運営しています」(30代・女性)
「家族で自然に囲まれた環境で暮らしたいと思い、思い切って北海道へ。雪は大変だけど、子どもたちがのびのびと遊べる毎日に満足しています。地元の人との交流も楽しくて、“田舎”のイメージが変わりました」(40代・男性・2児の父)
こんな人におすすめ!
- 自然と共に暮らしたい人
- 環境・エコ・サステナブルに関心がある人
- 自分の手で地域を作る実感がほしい人
- 家族でスローライフを楽しみたい人
気になるポイントも正直に
- 冬はとても寒く、雪が多い(ただし道路除雪はきちんとしている)
- 公共交通が少ないため、車が必須
- 大型ショッピング施設などは近くにない(買い物は町内または旭川まで)
これらは「田舎暮らし」の宿命とも言えますが、それを補って余りある魅力があると、実際の移住者は語ります。
「未来の暮らし」を先取りする町
下川町は、環境のこと、地域のこと、そして未来のことを本気で考えているまちです。補助金の金額で競うのではなく、「暮らしの質」を大切にしているところが、多くの移住者に選ばれている理由です。
「便利さよりも心地よさ」「効率よりも人のつながり」そんな暮らしを求めている人にとって、下川町はきっとぴったりの場所になるでしょう。
参考情報
【公式】北海道下川町移住移住情報サイト タノシモ(tanoshimo)
第5位:山梨県北杜市|水・空気・太陽がそろう“癒しの土地”で、豊かな自然暮らしを
山梨県の北西部に位置する北杜市(ほくとし)は、八ヶ岳・南アルプス・甲斐駒ヶ岳といった雄大な山々に囲まれた、自然豊かなまちです。「日本一きれいな水」とも言われる名水や、空気の澄んだ環境、日照時間の長さなど、“自然に恵まれた暮らし”がしたい人たちにとって理想的な移住地です。
さらに、東京から車や電車で2時間ほどというアクセスの良さもあり、「都市と田舎のいいとこどりをしたい」人に人気が高まっています。
自然と健康を活かした暮らしができる
北杜市のいちばんの魅力は、水・空気・光(太陽)という3つの“暮らしの基本”が最高レベルでそろっていることです。
- 八ヶ岳南麓の地下水は、名水百選にも選ばれるほどの清らかさ
- 空気が澄んでいて、空の色がはっきり見える
- 日照時間は全国トップクラス! 洗濯物がよく乾く&太陽光発電にも最適
この環境の良さを活かして、自然農法や自給自足的な暮らしを始める人も少なくありません。また、別荘地としての人気もあり、リモートワーカーやアーティストが拠点を持つ場所としても知られています。
移住者向けの支援制度も手厚い
北杜市では、全国からの移住者を受け入れるために、さまざまな支援制度が整っています。
支援内容 | 概要 |
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移住支援金 | 最大100万円(東京圏からの移住対象) |
子育て世帯住宅取得支援金 | 100万円(条件あり) |
空き家バンク制度 | リフォーム補助金あり(最大100万円) |
お試し居住体験住宅 | 格安で数日〜数週間の滞在が可能 |
特に、「空き家を買って自分で直したい」という人へのリフォーム補助や、住宅取得に対する支援が手厚く、「土地付きのマイホームを手ごろな価格で持てる」という夢を現実にしやすい自治体です。
子育て世代にも優しい
北杜市は、自然環境だけでなく子育て環境にも力を入れているまちです。
- 医療費は18歳まで無料(市内・県内医療機関)
- 保育園・幼稚園の定員に余裕あり
- 食育・自然体験プログラムが充実
- 保育士や助産師の支援体制が整っている
「子どもをのびのび育てたい」「自然の中で遊ばせたい」という親御さんにとって、ぴったりのまちです。
起業やテレワーク環境も充実
最近では、「自然の中で仕事をしたい」という人が増えています。北杜市では、そうした人たちに向けてコワーキングスペースや起業支援も充実しています。
- 市内に複数のシェアオフィス・コワーキング施設あり
- テレワーク環境(Wi-Fi整備、静かな場所)が豊富
- 起業支援セミナーや資金サポートの制度あり
特に、東京からのアクセスが良いため、平日は北杜市で働き、週末は都市部で活動する“二拠点生活”をしている人も少なくありません。
実際の移住者の声
「子どもが生まれたのをきっかけに、東京から北杜市に移住しました。近所の方たちもあたたかく、保育園にもすぐに入れました。自然の中で子どもが笑っている姿を見るたびに、ここに来てよかったと思います」(30代・夫婦+子1人)
「IT系の仕事をしているので、パソコン1台でどこでも働けます。北杜市は光回線も入るし、環境音が静かなので集中できます。都会のせかせかした毎日から離れて、人生のリズムがゆっくりになりました」(40代・男性)
こんな人におすすめ!
- 豊かな自然に囲まれて暮らしたい人
- 子育て環境を重視したい家族
- 自給自足・半農生活に興味がある人
- 二拠点生活やテレワークを考えている人
北杜市の注意点もチェック
- 標高が高いため、冬は冷え込みが厳しい
- 車がないと生活がやや不便(移動手段が必要)
- 土地や建物の管理(除雪・湿気など)に手間がかかる
ただし、こうした点も「自然と共に暮らす」という視点でとらえれば、むしろ楽しみに変えることができます。
便利さも、自然も、暮らしやすさも全部ほしい人へ
北杜市は、「完全な田舎ではなく、ほどよく便利」「自然の中だけど、孤立しない」そんなバランスのとれたまちです。日々のストレスから離れたい人、家族との時間を大切にしたい人、自分らしい働き方をしたい人にとって、非常に魅力的な場所といえるでしょう。
「東京に近いのに、こんなにのびのび暮らせるんだ!」と驚く人も多い北杜市。まずは一度、現地に足を運んでみることをおすすめします。
参考情報
第6位:徳島県神山町|ITベンチャーが集う“創造の田舎”で、新しい働き方と暮らし方を
徳島県の中央部、四国山地のふもとにある神山町(かみやまちょう)は、人口わずか約5,000人の小さな町です。ですが今、この小さな町が全国、さらには海外からも注目を集めています。
その理由はただ一つ、「創造的な町づくり」に本気で取り組んでいるから。廃校や空き家をリノベーションしてアート施設やオフィスにしたり、世界中からクリエイターやIT起業家が移住してきたりと、まさに“イノベーションと自然が共存する町”として人気を集めています。
地方なのに“IT企業の拠点”がいっぱい
神山町の最大の特長は、「田舎×IT」という、ふつうなら両立しなさそうな組み合わせがうまくいっている点です。
- サテライトオフィス(企業の地方拠点)が10社以上進出
- フリーWi-Fi完備のコワーキングスペースあり
- 光回線インターネットが町内全域で利用可能
- プログラミング教育やデジタル講座も実施中
東京のIT企業が神山町に支社を構えることもあり、リモートワークだけでなく「小さな起業」や「テック系移住」にとっても理想的な場所になっています。
移住者へのサポートが手厚い
神山町では、単に「住んでもらえればOK」ではなく、移住者がしっかり“地域に根づいて暮らせる”ようサポートする体制を整えています。
支援内容 | 概要 |
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空き家リノベーション支援 | 利用可能な物件はNPO法人が仲介・改修支援あり |
サテライトオフィス開設支援 | 補助金・スペース利用サポート |
地域とのマッチング | 地元住民との「顔合わせ」や「地域説明会」あり |
子育て支援 | 保育料無償化や学校支援充実(町内に中学校まで) |
また、移住を検討している人には「滞在型体験プログラム」も用意されており、まずは1週間〜1か月暮らしてみるといった柔軟な入り方が可能です。
自然の中での“創造的な暮らし”
神山町のもうひとつの魅力は、「自然に囲まれながらも、刺激のある毎日を送れる」こと。美しい清流、棚田、山並みなど、いわゆる“田舎の景色”が広がる中、町にはアートや音楽、IT、農業など、さまざまなジャンルの人が暮らしています。
- 町内に芸術家が滞在・制作する「神山アーティスト・イン・レジデンス」あり
- カフェ、パン屋、宿など、移住者による小さなお店が続々オープン
- 地元の人と移住者が自然に交じる、オープンな町民性
ここでは、「自然を楽しむ」ことと「新しいことを生み出す」ことの両方ができます。
実際の移住者の声
「東京でデザインの仕事をしていましたが、神山町に来て“本当にやりたかったこと”に気づきました。森の中で仕事をしながら、時々地域イベントに参加したり、パンを焼いたり。仕事も暮らしも、ちゃんと“自分ごと”になっている実感があります」(30代・女性)
「起業したてでお金も余裕もなかった自分にとって、リノベ支援や町の人の応援は心強かったです。今では町の人と協力して、宿泊施設とカフェを運営しています」(40代・男性)
こんな人におすすめ!
- クリエイティブな仕事をしている/したい人
- IT・リモートワークを活かした田舎暮らしを目指す人
- 地元の人と対等な関係で地域づくりに参加したい人
- 自然の中で、ちょっと特別な田舎暮らしをしたい人
気になるポイントも正直に
- 公共交通がほとんどなく、車は必須
- 大きな病院や高校、商業施設は町外にある
- 家の数が限られており、希望物件がすぐ見つからないことも
それでも、町ぐるみで「移住者に合った暮らし」を探してくれるので、マッチングの満足度は高めです。
「田舎だけど、挑戦できる町」
神山町は、「田舎=のんびり静かに暮らす」だけではなく、「田舎=新しい生き方を試す場所」としての可能性を教えてくれるまちです。
「自分のペースで暮らしながら、社会とつながる」
「自然の中で、ITやアートの力を活かす」
そんなライフスタイルにあこがれている人にとって、神山町は理想的なステージとなるはずです。
参考情報
第7位:兵庫県豊岡市|“コウノトリのまち”が目指す、人と自然が共生する豊かな暮らし
兵庫県の北部、日本海に面した豊岡市(とよおかし)は、「コウノトリが住めるまちづくり」を合言葉に、自然と共に生きるまちとして知られています。広い平野と川、田んぼや湿地に囲まれたこの地域では、環境保全と地域の暮らしが一体となって発展してきました。
そんな豊岡市は、近年、子育て世帯や自然志向の若者、芸術家たちの移住先として注目されています。移住支援制度が整っていることに加え、「文化と環境が共に息づく場所」として、国内外からも関心が高まっています。
「子育てしやすいまち」として高評価
豊岡市が移住者に人気の理由のひとつは、子育て環境のよさです。支援制度が充実しているだけでなく、自然の中でのびのびと子育てができる環境が整っています。
子育て支援内容 | 概要 |
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医療費助成 | 18歳まで自己負担ゼロ(所得制限なし) |
出産祝い金 | 第2子以降は10万円以上(条件あり) |
給食費補助 | 小・中学校の給食費を一部助成 |
病児保育 | 専用施設あり/共働き家庭にも安心 |
また、地元の保育園や小学校では、自然体験や地域との交流を重視した教育が取り入れられており、子どもたちが地域の人とふれあいながら育っていく風土があります。
移住者にやさしい“暮らしのスタート支援”
豊岡市では、全国からの移住希望者に対して、移住・定住のための支援制度がそろっています。
支援内容 | 概要 |
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移住支援金 | 東京圏からの移住で最大100万円(+子ども加算あり) |
空き家バンク | 市が管理・紹介/改修費用の補助あり(上限100万円) |
起業支援 | 地域課題解決型のビジネスに対する補助金制度あり |
お試し住宅 | 1泊数百円〜で短期滞在可能な住居を用意 |
特に人気なのが「空き家活用+リノベ支援」の仕組み。古い民家を自分らしく改修し、おしゃれなカフェや工房、住まいに変える人が増えています。
文化と自然が共存する“まちの空気”
豊岡市には、単に自然があるだけでなく、「文化の香り」があるのも特徴です。たとえば、
- 世界的に知られる演劇のまち:「豊岡演劇祭」の開催地
- コウノトリの野生復帰プロジェクトが地域の誇り
- 鞄(かばん)のまち豊岡として職人文化も継承
- 美術館・図書館・まちの小さなギャラリーが点在
こうした文化資源と自然環境のどちらもそろっている点が、「単なる田舎」ではなく、「クリエイティブな田舎」としての評価を高めています。
実際の移住者の声
「東京からUターンしてきて、小さな絵本カフェを開きました。豊岡は文化活動に理解のある人が多くて、表現する場がちゃんとあります。自然のそばで、好きなことで生きていけるという実感があります」(30代・女性)
「家族で移住しました。子どもの医療費が無料だったり、学校の先生が地域のことをすごく大切にしていたり…“ここに住んでよかった”と素直に思える町です」(40代・男性・2児の父)
こんな人におすすめ!
- 子育てにやさしい町で安心して暮らしたい人
- 芸術や表現活動に関わりながら地域に根ざしたい人
- 自然にふれながらも、文化的な刺激もほしい人
- 古民家を活用して店舗や工房を開きたい人
気になるポイントも正直に
- 冬は雪が積もる日があり、雪かきが必要な年もある
- 交通機関は本数が少なめ(車はほぼ必須)
- 市街地から離れると、買い物環境がやや限定的
とはいえ、こうした課題は「田舎暮らしならでは」として受け入れられており、地域全体で支え合う文化があるため、困ったときも相談しやすい空気があります。
人にも、自然にも、文化にもやさしいまち
豊岡市は、支援金の多さや立地の便利さだけでなく、“まちの空気”そのものに価値がある場所です。子どもを育てるにも、創作活動をするにも、第二の人生を歩むにも、“やわらかく包み込んでくれる”ような土壌があります。
「急がない暮らし、だけど退屈しない毎日」
そんな生き方を目指す人に、豊岡市はぴったりの選択肢と言えるでしょう。
参考情報
第8位:福岡県糸島市|“海・山・街”がそろった、都市に近い人気の田舎暮らし
福岡県の西部にある糸島市(いとしまし)は、近年「住みたいまち」「移住したいまち」として全国的に人気が高まっている地域です。玄界灘(げんかいなだ)に面した美しい海岸線と、山あいの自然、そして福岡市中心部まで電車で30分というアクセスの良さが、多くの人を惹きつけています。
移住支援も整っており、特に子育て世帯やテレワーク世帯、自然派志向の人たちに選ばれています。海も山も街も楽しみたい、そんな“よくばりな暮らし”が叶うのが糸島市です。
都市近郊とは思えない豊かな自然環境
糸島市は、福岡県内では「都市部から最も近い田舎」と言われることがあります。その理由は、自然の美しさとアクセスの良さが共存しているからです。
- 海水浴やサーフィンが楽しめる「芥屋(けや)ビーチ」「二見ヶ浦(ふたみがうら)」などの名所あり
- 登山やハイキングができる山々(可也山など)に囲まれ、週末はアウトドア三昧
- 農家直送の野菜や、漁港でとれる新鮮な魚介類がすぐ手に入る
こうした環境に惹かれ、福岡市内から移住してくる“半移住者”や二拠点生活者も増えています。
子育て・教育の環境も整っている
糸島市は、子育て世代にとっても非常に住みやすいまちです。以下のような支援が充実しています。
子育て支援制度 | 内容 |
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子ども医療費助成 | 中学校卒業まで医療費無料(所得制限なし) |
保育料の負担軽減 | 第2子以降の保育料は無償化(国制度に加え市独自あり) |
地域子育て支援センター | 市内複数拠点に設置、相談・交流ができる場所あり |
学校・保育施設 | 福岡市に近いが、待機児童が少ない傾向あり |
また、教育の質も高く、自然体験を取り入れた教育やICT教育にも力を入れています。共働き家庭への支援も進んでおり、「子育てしながら働く」がしやすい地域です。
移住者を支える体制と情報発信力
糸島市では、移住者を支援するための「糸島移住定住促進会議」が中心となり、移住前・移住後のサポートをしっかり行っています。
支援内容 | 概要 |
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お試し移住体験制度 | 民間施設との連携で短期滞在の機会を提供 |
空き家バンク | 市が空き家情報を管理・紹介(古民家も人気) |
仕事・起業支援 | 市内の創業支援施設や相談窓口を活用可能 |
地元住民との交流会 | 年間を通して、移住者と地元住民がつながるイベントあり |
また、InstagramやYouTubeなどSNSでの情報発信にも力を入れており、移住の様子や住民インタビューなどがリアルに見られるのも、安心材料のひとつです。
実際の移住者の声
「糸島に来て、海が毎日の景色になりました。朝は海沿いを散歩して、昼はリモートワーク。週末は山や温泉。福岡市にもすぐ出られるし、“ちょうどいい田舎”ってこういう場所なんだなと実感しています」(30代・女性・IT系)
「子どもが小学校に入るタイミングで移住しました。自然体験が多くて、家族で畑づくりにもチャレンジしています。近所の人たちも気さくで、助けてくれるから心強いです」(40代・男性・3児の父)
こんな人におすすめ!
- 自然も街も楽しみたい“いいとこ取り”派
- 子育てしやすい地域を探している家族
- 都会から離れずに田舎暮らしを体験したい人
- テレワークを活用して、生活の質を高めたい人
気になるポイントも正直に
- 福岡市が近いため、土地や家の価格が年々上昇傾向
- 移住希望者が多く、人気エリアは競争率が高め
- 夏場は観光客で混み合う場所も(人気の海岸周辺など)
ただし、そうした「人気による課題」も、住民と市が協力しながら調整・改善を図っているところです。
便利さ・自然・人のあたたかさが三拍子そろったまち
糸島市は、単に“田舎”や“リゾート”というより、「暮らしを大切にする都市近郊の理想郷」といえる場所です。海・山・人の魅力に加え、行政の支援体制もしっかりしており、はじめての移住にも安心感があります。
移住先としての“満足度”が非常に高く、全国から見学や視察が絶えないのも納得の実績。糸島の風と暮らしを感じてみたい方は、まずは体験滞在から始めてみてはいかがでしょうか。
参考情報
第9位:秋田県仙北市|“心と体を癒す田舎”で、温泉と自然に包まれた静かな暮らしを
東北・秋田県の内陸部にある仙北市(せんぼくし)は、温泉地・田沢湖・角館(かくのだて)といった観光名所で知られる自然豊かなまちです。歴史ある町並みと、四季折々の美しさ、そして何より“静けさ”と“ゆとり”のある生活が魅力。
「人が多い都会はちょっと疲れた…」
「もっと静かに、ゆっくりと、心を整える暮らしがしたい」
そんな思いを抱く人たちから、仙北市は移住先として選ばれています。
温泉のある暮らしが日常に
仙北市といえば、何といっても“温泉のまち”。有名な乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)や玉川温泉など、個性豊かな温泉が市内各地に点在しています。
- 地元住民向けの温泉利用割引あり
- 月額数千円で入り放題の施設も
- 一部の移住者住宅は源泉かけ流し付き!
体を芯から温めてくれる温泉が「日常」になる生活は、他の地域ではなかなか味わえません。とくに寒い冬にはありがたみが倍増。「健康に気をつかいたい」人や「自然治癒力を高めたい」人にはぴったりの環境です。
子育て・定住にやさしい支援制度
仙北市は、子育て世帯や若者の定住促進に力を入れています。
支援内容 | 概要 |
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定住奨励金 | 最大100万円(住宅取得や転入時) |
空き家取得支援 | 改修費最大150万円を補助(要条件) |
子ども医療費助成 | 18歳まで医療費無料(所得制限なし) |
保育料無償化 | 国の制度に加えて市独自のサポートあり |
また、移住希望者に向けて、移住コンシェルジュ制度やお試し居住体験住宅の提供もあり、「いきなり引っ越すのは不安…」という人にも安心です。
四季の変化が美しいまち
仙北市の魅力は「美しい自然」そのもの。とくに四季の変化がはっきりしており、春・夏・秋・冬、それぞれに見どころがあります。
- 春:角館のしだれ桜が満開、まるで“東北の京都”と呼ばれる美しさ
- 夏:田沢湖でカヌーやSUPなどの水上アクティビティを満喫
- 秋:山々が紅葉で燃えるように染まり、全国から観光客が訪れる
- 冬:一面の雪景色と温泉のコントラストが魅力的
自然の中で暮らすことが“非日常”ではなく“日常”になる。それが仙北市の暮らしです。
実際の移住者の声
「東京での仕事が落ち着いたタイミングで、自然の多い場所に引っ越したいと思い仙北市へ。最初は知り合いがいなくて不安でしたが、地域の人が声をかけてくれて、すぐにとけこめました。朝、湯けむりの中を散歩するのが楽しみです」(50代・単身女性)
「子どもが喘息もちだったので、空気がきれいな地域に引っ越したかった。温泉で体も温まるし、季節の野菜もたくさん食べられる。毎日が健康的で、家族全員が笑顔です」(40代・家族移住)
こんな人におすすめ!
- 温泉が大好きな人
- 静かな田舎で心と体を整えたい人
- 子育てを自然の中でのびのびとしたい人
- 歴史や文化、自然に興味がある人
気になるポイントも正直に
- 冬は雪が多く、雪かきは必須(地域によって除雪体制に差あり)
- 車がないと不便(スーパー・学校・病院など)
- 都市部までのアクセスはやや不便(新幹線・高速バスはあり)
とはいえ、「不便だからこそ、自分と向き合える時間が増えた」と話す移住者も多く、“便利ではないけど、豊かな時間が流れている”のが仙北市らしさです。
静けさとやすらぎを求める人の“癒しの田舎”
仙北市は、「にぎやか」「便利」とは違う、“ゆっくり、じっくり、自然とつながる暮らし”を実現できるまちです。温泉という地域資源があるだけでなく、地域とのつながりも温かく、移住者が孤立しにくいのも特徴です。
人生のペースを少し落として、自分らしい暮らし方を取り戻したい人には、ぴったりの場所です。まずは温泉と桜を見に行くところから、はじめてみませんか?
第10位:高知県梼原町|雲の上で暮らすような、静かで豊かな山あいのまち
高知県の西北部、標高約500〜1,400メートルの山々に囲まれたまち、梼原町(ゆすはらちょう)。人口はわずか3,200人ほどと小さく、四国の中でも特に自然豊かな町のひとつです。
そんな梼原町が、近年じわじわと「移住者にやさしい町」として注目を集めています。温暖な気候、山々の景色、清らかな水、そして地域の人のあたたかさ…。「本物の田舎暮らし」を求める人にとって理想的な場所です。
「雲の上の町」として知られる清らかな空気と水
梼原町のキャッチコピーは「雲の上の町」。それは比喩ではなく、本当に標高が高くて、霧がかかると町全体がまるで“雲の中”にいるような幻想的な風景になります。
- 空気がとても澄んでいて、星空がよく見える
- 町の水道は清流をそのまま利用した「飲める水」
- 山の四季がくっきり感じられる(春は新緑、秋は紅葉)
こうした自然環境は、都市部ではなかなか味わえません。「自然に包まれて、自分のリズムで暮らしたい」と考える人にとっては、まさに理想の環境です。
移住支援が手厚く、特に若者・子育て世帯にやさしい
梼原町では、人口減少を食い止めるために、「移住者の暮らしスタート」を応援する制度が整っています。
支援制度 | 内容 |
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定住促進奨励金 | 最大150万円(家族・住宅取得などの条件あり) |
空き家改修補助金 | 最大300万円(地域材使用で加算あり) |
お試し住宅 | 家具付きで最長1年滞在できる体験住宅あり |
子ども医療費助成 | 高校卒業まで自己負担なし |
保育・学童支援 | 保育園・小学校は少人数制で丁寧な教育が可能 |
とくに「空き家バンク+改修補助金」の制度は魅力的で、築年数の古い民家をリノベーションし、おしゃれであたたかみのある住まいを手に入れる人が増えています。
木の文化と“つながり”を大切にする町
梼原町は「木のまち」としても知られています。地元の木材を使った建築物が多く、公共施設や図書館、交流施設などがすべて地元産の木で建てられているのが特徴です。
- 安藤忠雄氏による「雲の上のホテル」「図書館」など名建築も点在
- 木造のカフェやゲストハウスなど、移住者による店舗も増加中
- 地域のイベントやお祭りは、木をテーマにしたものが多い
また、町の人は移住者に対してとてもフレンドリーで、地域行事や集まりにも自然に声をかけてくれます。「知らない人同士でも気軽に助け合う」雰囲気があり、孤立しにくいのも安心材料です。
実際の移住者の声
「東京で子育てに疲れていたとき、梼原町に“お試し滞在”してみたら空気と人のやさしさに驚きました。今では地域のママ友と一緒に野菜を育てたり、味噌づくりをしたり、都会では考えられなかった体験をしています」(30代・2児の母)
「昔の家を自分たちで直して住んでいます。DIYのサポートもあるし、地元の大工さんも親身。自然の中で、自分の手で“暮らしをつくる”って最高です」(40代・自営業)
こんな人におすすめ!
- 山の暮らしにあこがれている人
- 家族で田舎暮らしを始めたい人
- 空き家を直して住みたい・開業したい人
- 静けさ・自然・地域とのつながりを大切にしたい人
気になるポイントも正直に
- 公共交通はかなり少なく、車は必須
- 冬は雪は少ないが、山道は凍結することもある
- コンビニや大型スーパーは町内にほとんどない
とはいえ、それを不便と感じるか“豊かさ”と感じるかは人それぞれ。「暮らしを楽しむ工夫」ができる人にとっては、むしろ余白が多く、自分らしさを出しやすい町です。
山あいの町で、自分と向き合う暮らしを
高知県梼原町は、人口も小さく、アクセスも都会から遠いかもしれません。でも、その分だけ、人との距離が近く、自然とのつながりが深く、自分のペースを大切にできる場所です。
何もないようで、実は豊か。
不便なようで、実は自由。
そんな「本当の田舎らしさ」と「心のゆとり」がここにはあります。
「人生の第2章を、静かな山の町から始めてみたい」
そんなあなたに、梼原町はやさしく扉を開いてくれるでしょう。